何れ菖蒲(いずれあやめ)

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何れ菖蒲
(いずれあやめ)

[意味]

複数のものから一つを選ぶ時に、どれも同じくらいに優れていて、選ぶのが難しいということ。

どれも同じ程度の魅力や良さを備えているために、その中から一つを選ぶのに困ったり迷ったりすることの喩えである。

平安時代末期に『源三位(げんざんみ)』と称された源頼政(みなもとのよりまさ)の故事にちなんだことわざである。

源頼政が朝廷に出没する怪物の鵺(ぬえ)を退治した時に、その褒美として菖蒲前(あやめのまえ)という美女を賜ることになり、十二人の美女の中から菖蒲前を見つけ出すように言われたが、どれも同じような美人でなかなか見つけられなかった。

その時の菖蒲前を選びかねる気持ちを、源頼政が『五月雨に 沢べのまこも 水たえて いづれあやめと 引きぞわづらふ』という『太平記』に収められている和歌に詠んだ。この歌を元にして『何れ菖蒲』ということわざが生まれたのだという。

[類義のことわざ]

菖蒲と杜若(あやめとかきつばた), 何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)

[英語のことわざ]



[用例]

二人の魅力的な女性に付き合って欲しいと告白されたが、『何れ菖蒲』の気持ちになって、どちらか一人を選びきれずに困っている。

官庁の公務員になるべきか大企業の社員になるべきか、将来の人生設計にも関わってくる問題なので、『何れ菖蒲』の選択の苦しみと迷いに襲われている。

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参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)

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