コミュニケーションと対人関係のTips!

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対人関係の悩みとコミュニケーション・スキル

心理的な悩みや社会生活の問題の多くが、対人関係のもつれから生まれる不快なコミュニケーションと関係しています。身体や精神に悪影響を与える心理社会的ストレスの大部分も、社会的な場面における対人関係の対立や重要な他者(家族・恋人・友人)と理解し合えないことによって生まれてきます。過大なストレス状況と苦痛な人間関係が溢れている複雑な現代社会において、メンタルヘルスを維持し充実した日常生活を送っていく為には、様々な他者と上手に付き合っていくポイントとスキルを掴むことが大切なのです。

多くの人が、『対人関係上の様々な信念に基づくルール』に必要以上に縛られてしまい、本来感じる必要のない強いストレスを感じたり、込み入った感情的な人間関係に巻き込まれて深い心的外傷を負ったりしています。円滑な対人関係を構築して維持していくコミュニケーション・スキルでは、『対人関係を絶えずシンプルに整理するスキル』がとても重要になってきます。

何故、対人関係をシンプルに整理する習慣を付けたほうがいいのかというと、高いコミュニケーション・スキルを持っている社交的でユーモアのある人であっても、同時に何人もの人と複雑な意思疎通を行うことは出来ないし、多数の人から寄せられる要求や期待の全てに応え続けることは難しいからです。これは、対人関係をシンプルに整理する為に、余り重要でない友人知人との関係を断ち切ったほうがいいと言っているわけではありません。

どの相手との人間関係をどれくらい優先すべきなのか、その相手との付き合いや交渉の為にどのくらいの時間と労力を割くことができるのかという『対人関係の大まかなスケジュールと優先度』を意識しておくという事です。『対人関係の優先度』には『対人関係の質の高低』が深く関わってきますが、『対人関係の質』を判断する場合にはその相手との『関係性の内容』について考えてみましょう。

コミュニケーションを取る相手との関係性が、恋愛や家族のように相互的に愛情や優しさを与え合う情緒的なものなのか、近所づきあいやクラスメートのように特別親しいわけではないけれど顔を合わせなければならない儀礼的なものなのか、あるいは金銭的な利害関係が絡んでくる会社の上司や顧客との関係など職業的(ビジネス的)なものなのかによって、必要とされるコミュニケーション・スキル(対人スキル)や人間関係の優先度が異なってきます。

儀礼的な内容の人間関係であれば、社会的な役割行動に従った社交辞令的なコミュニケーションを取ることになるし、職業的(ビジネス的)な内容の人間関係であれば、社会的な役割規範を重視しながらも相手(顧客・上司)の関心や評価を巧みに引き出すような魅力的なコミュニケーションを工夫していくことになります。情緒的な内容の対人関係の場合には、決まりきったマニュアルや技巧的なコミュニケーションは通用し難いことが多いので、相手との信頼関係を深めながら率直で誠実なコミュニケーションで、お互いの気持ちや欲求を伝え合う事になるでしょう。

『対人関係の質の高低』を判断する際に『質が低いとみなされるもの』については、『自分が一方的に利用されたり傷つけられる関係』『その相手と一緒に過ごしても喜びや面白さを全く感じられない関係』『ギブ・アンド・テイクが成り立たず、感情的・経済的・時間的な奉仕を強制される関係』『強烈な精神的ストレスや不快感を感じる関係』『その相手と一緒に居る意義が全く見出せない関係』などがあります。

これらの対人関係は強度の精神的ストレスをもたらして心身の健康を障害する恐れがあるので、出来るだけ早い段階で相手との対人関係をこじらせずに関係を解消していくアプローチが求められます。反対に、重要な友人や恋人との関係を良好なまま長続きさせていきたいと思う人は、上記したような『質の悪い対人関係』へとはまり込んでいかないように留意する必要があるといえるでしょう。

その相手との対人関係のあり方を見つめなおす場合には、『自分は相手との関係に何を求めているのか?』を考え、同時に『相手は自分に何を期待しているのか?』を想像してみて、『自分が相手の期待や要求を満たす為にどれくらいのことが出来るのか?』をシンプルに考えてみましょう。

自分は相手と会いたくもないしコミュニケーションもしたくないのに、相手の側だけが一方的にコミュニケーションを取りたがっている状況はバランスが崩れていますし、相手に対して少しずつ好意が芽生えるなどの変化が起きる予兆がない場合には、その関係を維持する事の意義は乏しいといえるかもしれません。反対に、相手の喜ぶ顔や嬉しそうな話し声を聞いているだけで幸福感を感じられるような状況であれば、大きな経済的負担や時間的コストを負ってもその関係を維持する意義を見出すことが出来るでしょう。

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コミュニケーション・スキルの構成要素

このウェブページでは、臨床心理学やカウンセリングの専門知を参照した理論的な解説よりも、日常生活の対人関係や家庭・恋愛・職場・学校でのちょっとしたコミュニケーションに役立つ“実用的なtips(テクニック)”を気軽にまとめていこうと思います。

『他者と良好な人間関係を築くコミュニケーション・スキル』の基本的な構成要素には、『聴くスキル(相手を理解するスキル)』『話すスキル(自己を伝えるスキル)』『解釈するスキル(自己と他者の立場から、問題や状況を適切に把握できるスキル)』があります。この中で最も重要なスキル、相互的な満足を得られる対人関係に欠かせないスキルは、相手の立場に立って物事を共感的に理解する為の『聴くスキル』です。

支持的なカウンセリングの面接場面でも、相手の言葉や表情、行動から相手の気持ちや主張を的確に理解する『聴くスキル』が重要になってきます。高度な聴くスキルが身に付いてくると、『表層的な言葉によるメッセージ』の背後に相手の『感情・意図・欲求・信念』を読み取ることが出来るようになってくるので、相手の話したいというモチベーションを維持しながら、気持ちよく相手の話を聴くことが出来るようになってきます。

相手が何を考え何を感じながら言語的なメッセージを伝えてきているのかに共感的になって話を聴き、相手の非言語的なメッセージ(表情・口調・ジェスチャー・行動)にも気配りして受容的な構えでコミュニケーションすることで、相手に対して『この人はしっかりと話を聴いてくれる誠実な人だ』という印象を与えることになります。しかし、一方的に相手の主張や感情に共感して受け容れているだけでは相互的なコミュニケーションが取れませんから、『聴くスキル』『解釈するスキル』だけでなく自分の意見や要求を効果的に伝達する『話すスキル』を上手く組み合わせていく必要があります。

自分の意志を効果的に伝達する『話すスキル』の基礎は、自己肯定感と他者尊重性にありますから、自分に対する自信や有能感が適度に高まっていて、相手の人格や主張を尊重しようとする謙虚な心構えが出来ている時に、『話すスキル』『聴くスキル』『解釈するスキル』が融合して最高のコミュニケーション・スキルを発揮することが出来るようになります。自分の主張や要求を強制的に相手に承認させようとする『攻撃的な自己主張』では相手の反発や敵意を招きますし、自分の感情や欲求を過度に抑圧して相手の希望や要求をいつも優先する『受動的な自己主張』では自己の意思を伝達できず精神的ストレスが蓄積します。

自尊心を維持して自己と他者を肯定する為のコミュニケーションを行うためには、自分の意見(感情)を相手(状況)に合わせて明確に言語化できる“アサーティブ(自己開示)な自己”である必要があり、効果的な双方向のコミュニケーションを実現するためには、相手の感情や要求を尊重して相互に要求を満たしあえる“共感的な自己”である必要性があります。

ここでは、じっくりと時間を掛けて熟成させる信頼関係ではなく、短期的な対人関係の判断に役立つtips(テクニック)を紹介していきます。コミュニケーションによるストレスを緩和する技術や、相手を騙して利益を得ようとするような“悪意ある相手”に対する対処法なども説明していきたいと思います。

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